無排卵周期症について
月経不順の一つ、無排卵周期症とは
無排卵周期症とは、ほぼ規則的に月経の様な出血があるけれども、排卵を伴っていない状態のことを言います。月経周期は不順なことが多く、月経持続期間も短かったり長かったりします。「排卵をしていること」が妊娠の第一歩ですが、無排卵周期症の場合「排卵をしていない」ため、不妊の原因にもなるのです。
無排卵周期症の特徴は
無排卵月経の症状は、周期が乱れていて、生理が月に2度来る、生理が遅れる、量が少なくダラダラと続く、月経痛があまりない、などさまざまです。
もちろん、周期はきっちりしているけど排卵していないという場合もあります。
まとめると、
①稀発月経(月経周期が長くなり39日以上の周期でしか生理がこない)、頻発月経(月経周期が短くなり24日以内で生理になる)、過多・過長月経(出血日数が長く8日以上生理が続く)、過少・過短月経(出血日数が短く2日以内で生理が終わってしまう)を主訴とする。
※50日以上の稀発月経が約30%、20日以内の頻発月経が約60%は無排卵と言われています。
②基礎体温が低温の一相性を示している
上記の場合に、無排卵周期症と診断されます。
無排卵周期症の原因は?
無排卵月経の原因はいくつかありますが、主に脳の中枢部分もしくは卵巣機能の異常とされています。月経がくるには、脳から卵巣へ「女性ホルモンを出しなさい」という指令が出て、それを受けた卵巣が女性ホルモンを分泌されて卵子を育てます。ところが、卵巣がうまく機能しなかったり、脳がストレスを受けて卵巣へうまく指令が出せていなかったりすると、月経不順や無排卵月経を引き起こしてしまうのです。
卵巣や脳のストレスとなる要素としては、いくつかあります。
一つは、卵巣機能が未成熟な思春期(初経から数年)や卵巣機能が低下しつつある更年期には多く見られます。他にも、無理なダイエットや急激な体重減少、激しい運動、強いストレス、不規則な生活習慣、過度な喫煙、冷えによる血行不良など、日常生活に密接に関わるものも原因となります。
また、視床下部の機能異常、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などにより、無排卵周期症となることもあります。
排卵周期症の検査方法は?
①ホルモン検査:血液を採取して血中のホルモン値を調べることによって、女性ホルモン(エストロゲン)が正常に分泌されているかどうかを見ます。
②超音波検査:超音波を使って卵巣の中にある卵胞の大きさを調べます。卵胞が2cmより大きくなっていたら排卵している可能性が高く、逆にそれ以下の場合は無排卵だと診断される可能性が高くなります。
無排卵周期症の治療法は?
【クリニックでの治療】
妊娠を希望する場合
排卵誘発を行います。
排卵誘発の方法としては「クロミフェン療法」と「ゴナドトロピン療法」があります。
妊娠を希望しない場合
ホルモン療法の「ホルムストルム療法」と「カウフマン療法」を病状に応じて使い分けます。「低用量ピル」を使用することもあります。
【その他】
ストレスの原因を取り除く
まずは、ストレスによる原因をとり除くことです。
例えば無理なダイエットは、自分ではストレスに思っていなくても身体には重い負担をかけていることがあります。適度な運動も組み合わせて生活習慣を整えるなども大切です。
漢方を使う
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 、加味逍遥散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などの漢方を使って体質改善をめざす方もいます。それぞれ月経不順を整える働きがあると言われていますが、体質により処方は異なりますので、漢方の専門薬局などに相談することをおすすめします。
なぜ、無排卵周期症に鍼灸治療は効果的なのか
鍼灸治療の得意とするものに「血流の改善」があります。無排卵周期症になりやすい人の特徴にもある「冷え」の改善に鍼灸治療は効果的なのです。また、ホルモンは血液とともに必要な場所へ送り出されます。そのため、ホルモンの巡りを改善することもできるのです。
また、鍼灸治療を行うと、自律神経の中でも「副交感神経」が優位に働くようになります。副交感神経はリラックスさせる神経です。ストレスを受けると身体は「交感神経」、つまり興奮する神経が高まっていきます。鍼灸治療を行うことで、意識的に副交感神経を働かせ、リラックスさせることができるため、自律神経を整えることができます。
上記の理由で無排卵周期症に鍼灸治療は効果的なのです。
当院の治療の特徴
当院では、鍼灸治療の他、オイルトリートメントや活法整体、骨格の整体、頭のツボを用いた施術を組み合わせることで、体を「心地よい」状態へ導くことができます。この「心地よい」刺激を体に与えることにより、血流改善や自律神経の調整だけでなく、脳内の「セロトニン」の分泌にも関与させることができ、無排卵周期症の原因の改善を図ることができます。